シマノ・バイカーズフェスティバル

優勝インタビュー

XC Kids(Kids2 Men)優勝

走るたびに進化する脅威の11歳が、2日間を完全制覇
飯島大也選手

ラフでタフな走路を周回するレース種目。キッズ版とはいえ、770mの距離には約24mの高低差があり、決して甘くはありません。小学1~3年生のKids1では5分、4~6年生のKids2では10分の間に、このコースを何周できるか競います。
Kids2のカテゴリーで5周して優勝したのは、福島県に住む飯島大也選手。4歳のころにランバイクで自転車の魅力に目覚め、競技にも自然と興味を持っていったそうです。レース中から「速い!登りでもスピードが落ちません!」と実況者を驚かせていましたが、実はそこまでの自信はなかったのだとか。それでも「勝因は?」との問いには「練習をいっぱいやったから」と即答。さらに続く2日目の同レースでも、周回数を6に増やして完全勝利。次なる目標は「ジュニアオリンピックでの優勝」とのこと。同じく2日連続優勝を果たした妹の飯島花怜選手と共に、目が離せない高速キッズライダーです。





GX Race(Women)優勝

国境を超えた勝利で女性ライダーを応援
Ramsbotham Annie選手

GX Raceは60分間のコース周回数を競うもの。ただし参加できるのはグラベルバイクかシクロクロスバイク、つまりドロップハンドルを備えた車両です。
15周で1位に輝いたRamsbotham Annie(ラムズボサム・アニー)選手がアメリカから来日したのは約1年前。石川県の高校で英語教師を務めることになったご主人に帯同。ご主人もロードバイクを駆るレーサーだそうですが、「アメリカでも、レースとなると出場者はほとんど男の子ばかり。女の子が出ているのを見るとうれしくなるし、応援したくなるんです」とのこと。その言葉の通り、Annie選手はレース後、2位になった皆木海音選手とも楽しそうにおしゃべりしていました。子どものころから自転車に慣れ親しんできた同選手ですが、実は一番好きなのはフラットハンドルのMTBなのだそうです。来年はぜひ、そうしたジャンルでもレースに参加してみたいと抱負を語ってくれました。





バイカーズロゲイン(男女混合)優勝

速さではなく「絆」が勝因? 富士見町ロゲイニング
月ヶ瀬あずさ選手・月ヶ瀬守選手(スノーエンジェルちゃり組)

地図を読んで時間内にポイントをめぐる「ロゲイニング」を、富士見町の風景や地形を楽しみながら自転車で行うツーリング種目、バイカーズロゲイン。男女混合のカテゴリーで勝利を収めたのは月ヶ瀬夫妻です。シマノバイカーズフェスティバルは常連だそうで、参加回数を尋ねると「20回目ぐらい?もっとかな?」。日頃は街なかのデイリーライドから近くの山道まで、幅広いエリアを一緒に走っているそうです。
守選手は「GPSがない時代から、地図を見ながらいろんなところを走っていましたからね」と笑い、このバイカーズロゲインもそう特別なことをしている意識はないのだと話してくれました。勝利の秘訣はその「いつも通り」の自然体でしょうか。賞品として授与された産直野菜詰め合わせの中から、撮影時には立派なセロリを選んでポーズ。「夏野菜のカレーにでもしようか」と話し合う姿もむつまじく、勝因はお二人の関係のよさにもありそうです。





XC Race(Men2)優勝

先導するプロライダーの「走りを盗んで」、優勝も奪取
川村誠選手

シングルスピードのバイクで参加する場合は仮装もでき、会場を大きく沸かせるXC Race。そのMen2(22~39歳)カテゴリーでトップに立ったのは、チーム36隊に所属する川村誠選手です。距離が長く難度も高いコースを走破する中「勝負をかけた直線で、思いっきり踏んだら踏みすぎた」と振り返りますが、実はゴール前に転倒も。それでも13周の記録で見事優勝を果たしました。シマノバイカーズフェスティバルには毎年チームで参加しているそうで、表彰台に上がる自信はあったと言います。
「プロライダーの沢田時選手の先導があったので、すごくつらかったけどとにかく食らいついて走り方を盗みました。おかげでレース中にも自分の下りスピードが上がってきて、今後にも生かせる経験ができたと思います」
収穫は大きかったものの、実は2年連続で転倒しているという川村選手。名誉の負傷ではありますが、来年はケガなく楽しみたいと笑顔で語りました。





DH Race(Women)優勝

「聖地」を知る勝者も認める、完全オリジナルコース
中川瑶子選手

富士見パノラマリゾートは「アジアのダウンヒルの聖地」ともいわれますが、さらに今大会のコースはこの2日間のためだけに作られた完全オリジナル。バイクで下りスピードを追求する迫力のDH Raceは、決勝のみの1本勝負の種目です。
Womenのカテゴリーでは、中川瑤子選手が前年に続き優勝。表彰ステージでのインタビューでは「100点の走りでした!」と元気いっぱいに答えたものの、ステージを下りると「ぜんぜん100点じゃなかった……笑」と本音を漏らしました。午前中に行われたDH Teamでも準優勝を飾りましたが、その分、体力は削られていました。また、常設とも去年大会とも違うコース設定に試走を重ねたため、レース本番には少し疲れが出てしまったのを感じたそうです。今後の目標はダウンヒルシリーズで表彰台に上がること。「コースは新鮮ですごく楽しかったし、気持ちよく走れました。もっと練習して、体力もつけていきたい」と語ってくれました。





DH Light(Men)優勝

ブランクを乗り越えて、1分を切る好タイムでトップに
小坂学選手

ダウンヒルビギナーでも楽しめるよう、コース設定をやさしくして挑戦のハードルを下げた本種目。多様な42人のライダーが参加しましたが、その頂点に立ったのは小坂学選手でした。同選手のダウンヒル歴は、高校生のころから数えて20年ほど。しかしシマノバイカーズフェスティバルは初参加とのことで、聞けば「腰を痛めて自転車から遠のき、10年ほどブランクがある」のだそうです。フィジカルの状態を戻すのには苦労したそうですが、ストイックなトレーニングよりも、楽しく乗ることが何より効果的だと感じているそう。「今も腰には爆弾を抱えている」と笑いますが、このレースには息子の小坂柊矢選手(同種目4位入賞)とともにエントリー。
「優勝するとは思っていませんでしたが、息子には負けられないので」と父の威厳を見せつけました。息子が自分を超える日を楽しみにもしているそうですが、まだまだ譲れない気持ちとのせめぎ合いは、しばらく続くかもしれません。





XC Endurance(Quartet)優勝

「魂の走り」で優勝に輝いたシクロクロスチーム
テル君とゆかいなしぃわんたち(栄照洋選手、柿本哲治選手、川村誠選手、高田晃平選手)

テル君こと栄選手とシクロクロスレースの最上位クラスC1カテゴリーの選手で結成したチームは、普段のチームはバラバラで、今大会のために結成したとのこと。作戦は「エースの川村選手を第1走者にして周回を稼ぎ、残りのメンバーでうまくつなぐこと」でしたが、レースは接戦になり、一時はトップと50秒差の2位に落ちた時間帯もあったそう。川村選手は結局全体の半分の周回を1人で走り、最後テル君が自称「魂の走り」を見せ、優勝の栄冠を勝ち取りました。
来年もこのメンバーで挑戦しますか?との問いには、また違うメンバーで挑むことになると思う、とのこと。優勝メンバーが別々のチームに分かれてバチバチやり合うなら、来年も激しいバトルが期待できそうです。





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